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アイテム詳細
岩波書店
グループ:Book
ランキング:93054
価格:¥ 735
発売日:2005-05
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カスタマーレビュー ![]()
市民社会の問題としての公共放送
(2008-06-26)
一連の不祥事でNHK経営トップが総辞職した2005年に、敗戦体験を自己の原点と考える、1929年生まれの元日本経済新聞編集委員が刊行した本。日本の放送は、放送関係者の職責を重視し政府からの自立を目的とする電波三法の下で、支払い義務の無い受信料(契約義務制)を財源とする公共放送としてのNHKと、広告料収入を基盤とする民間放送との、二元的並存放送体制をとってきた。そのため、本来NHKは商業主義から距離をおき、ジャーナリズムと文化の論理のみによって運営されることが可能な筈であった。しかし現実には、制度上より国営放送に近いBBCと異なり、ジャーナリズム的批判精神に欠けるNHKは市民的公共性の意義を軽視し、経営者の編集権独占を盾に取り従業員の内部的自由を認めず、自民党の圧力の下で政治権力と癒着し、政府に好都合な国民的合意の形成や「自主規制」を図り(年表あり)、不祥事の際にも視聴者への説明責任を果たさない。そのため受像機の普及に伴う財政危機に対応できず、国策に追随する形での「効率化」・商業主義化路線へ走り、膨大な資金の必要なハイビジョン方式のデジタル化を強制的に導入しようとしている。このようなNHKの体質の背景には、NHKが予算・経営委員任命権・放送法案提案権を政府に握られているために、視聴者よりも政府の意向を重視していること、そして視聴者がこれまでそれを放置してきたことがある。以上を踏まえた上で、公共放送の意義を重視しNHKに期待する著者は、独立行政委員会制度の導入、経営委員会改革、従業員の内部的自由の確立、情報公開の徹底、視聴者の経営参加・アクセス保障、労働組合と視聴者との提携、視聴者運動の活性化などを提言する。分析内容自体はそれほど目新しくはないが、著者の実体験を踏まえた記述は説得力があり、また提言も具体的である。
読む人の年齢によっては・・・
(2005-12-03)
国民はNHKをどのようなイメージでとらえているのか?
おそらくニュースと言えばNHK、淡々と中立の立場で事件を伝えるなどではないだろうか。
しかしその実態は・・・。
著者はNHKの政治との癒着を過去の出来事を例に示しています。
皆様のNHKと言いながら内容はそれとは程遠いと・・・。(知ってる人も多いだろうが、知らない人がまだまだいるという事実を受け止めて欲しい。)
イギリスのBBCと比較することでNHKの落ち度がさらにわかります。
では著者はこんなNHKはいらないというのか。
否、著者はむしろ必要だという。
もし、市場原理と権力の両方から分離できる公共放送というものがなくなったらどうなるか?
たちまち市場、利益優先の情報が蔓延するだろう。
そして利益を優先するあまり権力との癒着はさらに強くなるだろう。
デジタル放送の問題は利益優先の最も身近な話題だ。
ただ、この本、いろんな事例がでるが、その度に〜会とか人名が出てくる。
当時生きてない私には90年代以前のことは実感が沸きにくかった。
が、それでも良書だと思う。
今考えたい公共放送のあり方
(2005-09-19)
2011年には現在の地上波放送は全て打ち切られ、全て地上デジタルへと移行してしまう。その現実を知らない人がまだまだ多いのが現実。
この一事を取ってみても、公共放送と市民との隔たりを感じざるを得ない。
ジャーナリズムとして、メディアとして、今だから様々な真価を問われるNHK。今後のあり方を今ぜひとも一考したい。
健全な視点に立った過去と未来に渡るNHK論
(2005-07-17)
本書を特徴つけるものは、1)健全な視点、2)豊富な人脈から得られた信頼ある情報、、3)否定的面だけでなく、将来を展望する未来志向、4)繰り返しによる判りやすい論点などと思う。公共放送はどうあるべきか、国民の知る権利を守るためには何が必要なのかという視点から、NHKがいかに閉鎖的で権力志向だったかを解説、過去を振り返ります。「ジャーナリズムとは権力の見張り役」という視点からNHKがずれていることを指摘、その温床となった制度的欠陥やエポックメイキングなエピソードを具体的に解説。歴代政府・自民党のジャーナリズム攻撃にNHKが完全に屈し、ジャーナリズムとして機能していない、政府の代弁者に成り下がっている状況と経緯を判りやすく解明しています。
受信料の現行支払制度がなぜ優れていて、強制徴収はなぜ行けないのかを判りやすく解説しているのも良かった。
地上波デジタル放送についても、高価なテレビの買い換えを強要するものであり、公共放送にふさわしくないという観点を世界的な視点から解説、私も同感です。
こんな駄目なNHKですが、なければいけないものでもあるというのが著者の意見です。どうしたら、権力と手を切り国民本位のジャーナリズムとして機能できるのか提言しています。こき下ろすだけでなく、あるべき姿をポジテイブに提言するのは大切なことだと思います。
読み応えのある良書でした。最近の岩波書店にはかつての良識が戻ったような感じがします。
健全な視点に立った過去と未来に渡るNHK論
(2005-07-17)
まず著者の視点に大変共感しました。公共放送とはどうあるべきかをBBCとの対比で論じています。NHKが過去現在に至るまで実に閉鎖的な組織であったことを多数のエピソードで語っています。そして、なぜ閉鎖的なのかを解明し、現在その閉鎖性故にジャーナリズムとしてどうしようもない状況に至っている経過を明らかにしています。閉鎖的で風通しの悪い組織はいずれ駄目になるのだなと、我が職場のことに考えが及びました。受信料の支払いについてもなぜ現行制度が優れていて、税金のように徴収するのがよろしくないのか判りやすく解説しています。地上波デジタル放送についても、私は無駄と思いますが、著者の立場は明確で、テレビの買い換えしないと見れないようなものはとても「公共」のものとは言えないと、ごもっとも。そして、最も重要であるのは、そうしたNHKのネガテイブなものが、政府・自民党の絶え間ないジャーナリズム攻撃によるものであることを多くの人事介入やスキャンダル・エピソードを交えて明らかにしていることでしょう。多くの人脈から得た情報を元に今後の正しいジャーナリズムのあり方を探る、意欲作です。

