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アイテム詳細

小熊 英二

理論社

グループ:Book

ランキング:7583

価格:¥ 1,260

ポイント:12 pt

発売日:2006-04

通常4〜6日以内に発送

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http://books.enquetem.com/asin/Books/4652078145/

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カスタマーレビュー

こんなにコンパクトにまとまるなんて奇跡的です  (2008-08-06)
みうらじゅんの『正しい保健体育』を読んで衝撃を受けて以来、このシリーズは気になっていた。体育の授業のあとは、日本史の授業。明治から戦後の日本の歩みを奇跡的なほどコンパクトにまとめている。著者の政治的立場も随所で明らかにされているが、全体としてはまあ抑えたトーンで書かれていて読みやすい。最後は丸山眞男の引用で結ばれている。

<つまり日本の悲劇の因は、アジアのホープからアジアの裏切者への急速な変貌のうちに胚胎していたのである。敗戦によって明治初年の振り出しに逆戻りした日本は、アジアの裏切者としてデビューするのであるか。> (p. 186)

結局、この丸山の疑問に対して、戦後60年たっても日本ははっきりした答えを出せていないのである。

ワクチン  (2008-05-01)
内容
第1章→大日本帝国憲法下での国の成り立ちを、教育を中心として説明したもの。たしかに、国力増進のための教育だというのには一理あるが、現代における、個人のための教育の権利(初等教育段階では義務的でよい。世界人権宣言第26条)の視点が説明ににじみ出ていなかったのが残念。
第2章→第2次世界大戦で敗戦した日本国の戦後問題を簡単に説明したもの。国際社会の冷酷さがわかる。個人的には第2章の方に感銘を受けた。
評価
第1章のような問題点もあるし、この本を読んで腹を立てる人もあろう。しかし、日本近代国家(明治時代から)の成り立ちや戦後日本の問題点を知ることによって、真の意味での愛国心(いいところも悪いところもまとめて受け入れる)を持てるかを試せる上に、最近の教育に対するワクチンになりうる(「伝統と文化を尊重し、それらを育んできた」(教育基本法第2条第5号)だけでなく、それがために過ちを犯した「わが国と郷土を愛する」ようになる)いい本なので、星5つ。

国際情勢の中で漁夫の利を得てアジア諸国に戦後補償をしないですませた上に与えた被害を本当に忘れてしまっている日本の姿  (2007-09-01)
明治維維新後の日本が歩んだ経緯が易しく解説されています。戦争の悲惨さを、戦場の実態や銃後の家族の悲劇を淡々と描く箇所は涙を誘います。また、国際的観点から見ると日本が批難の対象であるということをこれほど簡潔に突きつけられると正直とてもショックです。今の日本は国際的な「つながり」の中で生きています。いたずらに自分の国について卑下する必要は無いと思いますが、筋は通さなければ「異質な国とその国民」ということで国際社会で非常に不利な立場になります。また「悪いことはみんなしていたんだからあやまらなくて良い」と言ってしまう大人は、どうやって子どもを教育することができるのでしょう。この本のレベルの知識は全ての日本人が持っておくべきです。しかし、明治維新後の知識人は皆福沢諭吉のように「侵略する方に回るか侵略される方に回るか二つに一つだ」と思っていたのでしょうか?他の道を示した知識人はいなかったのか?

間抜けな左翼にならないために  (2007-06-24)
この本を「外交や安全保障のニュースを理解するための基礎知識,」などという人がいるが信じがたい。内容はカラである。
著者はマガジン九条で
「たとえば陸上自衛隊は、ソ連がなくなった今では半分以下に減らして問題ないことは間違いありません。先進各国は、冷戦終結後にのきなみ三割から五割の兵力削減をしているのに、日本の自衛隊はほとんど減っていない。公務員を減らそうと郵便局までつぶしたのに、国家公務員の四割が自衛隊員なんて異常ですよ」と言っているが意味が無い。ドイツフランスなどの徴兵制をしいていた国の軍隊と自衛隊を比較したとしてもほとんど意味は無い。ソ連との大規模な陸上戦を想定していた西洋諸国と日本とではまったく事情が異なるのだ。
 また北朝鮮に関してもミサイルと核、拉致という明白な脅威が存在しているにも関わらずなぜかそれを無視する。北朝鮮が相手なら自衛隊は今の十分の一でも良いなどという本職の方々が聞いたら怒り狂いそうなことを平気で言う。中国に関してもかの国が国境を接する全ての国に侵略を行い、自国民数千万を餓死させたという狂気の思想を持っているにもかかわらず脅威でないという。
 断言するがこれは教養の書ではない。この本を読む時間があれば別宮暖朗氏の軍事学入門を読むべきである。

 小熊氏にはこの言葉を送る。
以下,スイス政府編『民間防衛』(原書房,1995)より.
〜〜引用開始〜〜
外国の宣伝の力
国民をして戦うことをあきらめさせれば,その抵抗を打ち破ることができる.
軍は,飛行機,装甲車,訓練された軍隊を持っているが,こんなものはすべて役に立たないということを,一国の国民に納得させることができれば,火器の訓練を経ることなくして打ち破ることができる・・・・・・.
このことは,巧妙な宣伝の結果,可能となるのである.
敗北主義−−それは猫なで声で最も崇高な感情に訴える.−−諸民族の間の協力,世界平和への献身,愛のある秩序の確立,相互扶助−−戦争,破壊,殺戮の恐怖・・・・・・.
そしてその結論は,時代遅れの軍備防衛は放棄しよう,ということになる.
新聞は,崇高な人道的感情によって勇気付けられた記事を書き立てる.
学校は,諸民族の間との友情を重んずべきことを教える.
協会は,福音書の慈愛を説く.
この宣伝は,最も尊ぶべき心の動きをも利用して,最も陰険な意図のために役立たせる.
〜〜引用終了〜〜

欧州諸国の軍縮について追記
冷戦終了によって欧州において陸軍が3割から5割削減されたのは事実だがそれには以下のような事情がある。
まず国境線が大幅に変更され、ポーランドとウクライナという欧州の盾になる国が生まれた事。極東では冷戦当事と国境は変更されておらず日本の盾になる国は生まれていない。
また軍備を削減したとしても英仏独伊などの大国はなお自衛隊と同等の軍事力を保有している。例えば英国の軍事費は総国防支出も冷戦終了後の国内総生産 (GDP) に対する4.4%と比較して、現在は2.2%の計上に減じているが陸軍だけ見ても予備役を合わせれば14万人の兵員を擁している(陸自は15万で予備役7千)。ちなみに英国の人口GDPは日本のおよそ半分である。フランスも似たようなものでおよそ30万の軍隊を保有している(自衛隊全体でおよそ24万)。また日本の国防費支出は冷戦時代からこの方GDP比で1%程度で推移している。

侵略=悪か?  (2007-06-06)
ひとことで言えば明治維新以来の日本の歩みを貶め、戦後から現在
に至る保守政権を糾弾する内容の本。
第1部は明治編。そこには、開国当初の弱肉強食の国際情勢に直面
した新政府の心細さに対する同情の心、共感の念は一切ない。
当時は帝国主義がグローバルスタンダードの時代。急いで文明開化
し富国強兵しなければ清のように食いちぎられてしまう。
そのために教育に多大の予算を割き、保護者が学校を焼き討ちにし
ようとも義務教育に力を注いだのだが、それを著者は侵略される側
から侵略する側にまわるための「強迫教育」と糾弾する。

第2部の戦後編でも、戦後の対米従属ぶりと在日米軍基地を批判す
るのは結構だが、それでは著者はほかにどんな選択肢があったとい
うのだろう。
憲法9条に誇りを感じているらしいところから察すると、非武装中立を
主張するのだろうか。あるいは資本主義と天皇に憎悪を抱く一方、
丸山真男を引用して社会主義に好意を隠さないなど今どき珍しいほど
の左翼ぶりから察すると、東側陣営に入れとでもいうのだろうか。
どちらにしても待っているのは悲惨な結果でしかないのは明らか。

ほかにも沖縄戦の集団自決の嘘話や、戦後賠償の額の印象操作
(対フィリピン5億ドルは当時の一般会計の2割、フィリピンGNPの1割
に匹敵し「安い」とはとてもいえない)とか、強制連行・創氏改名の
嘘解説など突っ込みどころ満載の本。

要するに日本は、戦前・戦時中はあらゆる悪行をアジア諸国に働いて
計り知れない害悪を与え、戦後の経済成長もアジア諸国の犠牲の上に
成り立ってきたと印象づけて、なんて悪い国なんだろう、永遠に謝り続け
なければいけないよと読者にさまざまな事例(実は都合のいい解釈で粉飾
した牽強付会な例)をあげて洗脳する。典型的な自虐史観に貫かれた本。
著者の思想には、江戸時代といわず戦前といわず戦後といわず「日本と
いう国」に対する呪詛、ルサンチマンが溢れている。

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